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== 空間ベクトルの内積 ==(入試問題)

難易度の目安
教科書レベルの基本:教☆☆
参考書の普通レベル:★参☆
大学入試基本レベル:★★受

【T. 空間ベクトルの内積】
(1) 図形的に示される場合
 2つのベクトルのなす角をとすると,内積は

(2) 成分表示されている場合
の内積は

【例題1】教☆☆
 次の2つのベクトルの内積を求めよ.
(1)
(2)
(3)
(1)

(2)

(3)


【例題2】教☆☆
 右図のように1辺の長さがa (>0)の立方体ABCD-EFGHがあるとき,次の内積を求めてください.
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
• 2つの「ベクトルの大きさ」と「ベクトルのなす角」が分かれば,内積が求まる.
(1) CAB=45°
だから


(2) DAB=90°
だから


• 角度が書いてなくても,3辺の長さから求まることがある.
(3) 正方形の対角線の長さは三平方の定理で求まる

次に,だから△ACFは,正三角形であり,CAF=60°


(別解)・・・この準公式は後で使う!
右図において

となるから

元の問題に戻ると

において,が単独では分からなくても,は分かることがある
例えば,右図のようにに投影したときの影の長さ(符号付)をdとすると,角度θがどのように変化しても

が成り立つ
(4)
△AFGは,AFG=90°の直角三角形だから(GAF)=AF
これにより

(5)
右図のように,与えられた立方体の隣に同じ大きさの立方体を並べると

になり,さらに

だから(3)において辺の長さから内積を求めた手順を参考にすると


【例題3】教☆☆
 右図のように辺の長さがEF=p, EH=q, EA=r (>0) の直方体ABCD-EFGHがあるとき,次の内積を求めてください.
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(1)


 この問題では,ベクトルのなす角は,直接に数値として与えられていない
(ABE)
のように,直角三角形の辺の比で余弦を表すか、もしくは前述の例題(3)のように,3辺の長さで内積を表すとよい
 ,さらに三平方の定理を使うとだから


(別解)・・・成分表示を使う考え方
とする成分表示を使うと(以下の問題も同様)

(別解)・・・基本ベクトル表示的な考え方




(2)
BAD=90°だから

(別解)

(3)
だから

次に

だから



(別解)

(別解)





(4)
だから

次に

だから


(別解)

(別解)



(5)
右図のように,同じ大きさの直方体を手前に並べると




だから



(別解)

(別解)




【U. 空間ベクトルの大きさとなす角】
(2) ベクトルの大きさは

(3) 2つのベクトルのなす角をとすると

【問題1】教☆☆
 ベクトルにおいて,内積であり,のなす角はサシ°である.
(2011年度千葉工業大 工学部)
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【問題2】教☆☆
 空間の3点A(1, −2, 3), B(3, −4, 2), C(−3, 3, 0)に対して,ベクトルのなす角を求めよ.
(2005年度福井県立大)
[解説を読む]

【問題3】教☆☆
 Oを原点とする座標空間内に3点 A(1, 1, 1),
B(2, −1, 2), C(0, 1, 2)
がある.点Pが四面体OABCの辺BC上を動くとき,
(1) 内積は3であることを示せ.
(2) AOPの大きさが最小になるときの点Pの座標を求めよ.
(2000年度広島大)
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【問題4】★☆☆
 座標空間内の点A(4, 4, −3)を通り,点B(7, 1, 3)へ向かう直線の上を移動する動点Pがある.Pが原点Oに最も近づくときの距離OPである.
(2000年度日本獣医畜産大)
[解説を読む]

【問題5】★参☆
 xyz空間の3点をA(4,5,6), B(7,11,−3), C(4,9,4)とし,2点A,Bを通る直線をlとする.
(1) tを媒介変数として,l上の点の座標(x, y, z)tを用いて表せ.
(2) 点Cからの距離が最小となるl上の点Hの座標とベクトルの大きさを求めよ.
(3) 大きさ1のベクトルに垂直であるとき,点P(p, q, r)をすべて求めよ.
(2000年度同志社大 工学部)
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【V. ベクトルの平行条件・垂直条件】
(1) 2つのベクトルが垂直であるための必要十分条件は

(2) 2つのベクトルが平行であるための必要十分条件は
(tは実数)または(sは実数)
(※一方が他方の実数倍であれば,平行になる)
(2’) 3点P, Q, Rが一直線上にあるための条件は
(tは実数)
Q, Rを始点として書いてもよい
【問題6】教☆☆
 が垂直であるとき,t=である.
(2014年度千葉工業大)
[解説を読む]

【問題7】教☆☆
 に直交する単位ベクトルでx成分が正であるものは(B)である.
(2014年度北見工業大)
[解説を読む]
【問題8】★☆☆
 空間に3点A(2, 2, 2), B(1, 2, 1), C(2, y, 1)が与えられている.三角形ABCが直角三角形になるのはy=のときである.
(2011年度立教大 理学部)
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【問題9】教☆☆
 点A, B, Cの座標が,A(x, 4, −1), B(3, 1, 0),
C(1, y, 1)
であるとき,A, B, Cが一直線になるようにx, yの値を定めよ.
(2000年度高崎経済大)
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【問題10】教☆☆
 2つのベクトルの両方に垂直な単位ベクトルを求めよ.
(2016年度岩手大 理工学部)
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==三角形の面積==
【W. ベクトルで表された三角形の面積】
(1) △ABCにおいて,BAC=θとするとき,△ABCの面積は
・・・(1)
ここで
・・・(2)
だから,(2)を(1)に代入すると


(2) ベクトルの成分が明らかでなく,ベクトルの大きさ(辺の長さ)だけが分かっているときは,「余弦定理」を用いて角度を求めることができる.
 例えば,右図において

【問題11】教☆☆
 4点O(0, 0, 0), A(a, 0, 0), B(0, b, 0), C(0, 0, c)を頂点とする四面体を考える.ただし,a, b, c>0とする.以下の問に答えよ.
(1) △ABCの面積を求めよ.
(2)(3) 略
(2005年度早稲田大 理工学部)
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==四面体の体積==
【問題12】★★受
 辺の長さが

で与えられる四面体OABCを考える.とおいて,以下の問いに答えよ.
(1) AOBの余弦cosAOBを求め, △AOBの面積を計算せよ.
(2) 内積を求めよ.
(3) 点Cから△AOBを含む平面に垂線lを引き,その平面とlとの交点をHとする.このとき,を用いて表せ.
(4) 線分CHの長さを求め,四面体OABCの体積を計算せよ.
(2005年度電気通信大)
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【問題13】★参☆
 四面体ABCDにおいて,AB=4, BC=5, AC=AD =BD=CD=3とする.点Dから三角形ABCを含む平面へ垂線DHを下ろす.このとき,次の問いに答えよ.
(1) の値をそれぞれ求めよ.
(2) を用いて表せ.
(3) 四面体ABCDの体積Vを求めよ.
(2021年度静岡大 理学部)
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【X.空間の4点が同一平面上にあるための条件】
 異なる3点A, B, Cが同一直線上にないとき,4点A, B, C, Dが同一平面上にあるための条件は


が成り立つことである.(s, tは実数)
 3点A, B, Cが同一直線上にないとき,で表されるベクトルは,で張られる平面上にある.
 なお,基底とするベクトル,表されるベクトルの組み合わせ方は,何通りも可能


【問題14】★☆☆
 4点A(3,1,1), B(2,−1,0), C(0,1,2), D(x,0,−1)が同一平面上にあるように定数xの値を定めよ.
[解説を読む]

【問題15】★参☆
 座標空間の原点をOとし,座標空間内に4点A(1, 3, 3), B(1, 1, 2), C(2, 3, 2), P(t, t, t)をとる.ただしtは実数である.
(1) t≠0とするとき,が直交するようなtの値を求めなさい.
(2) が最小となるようなtの値を求めなさい.
(3) 4点A, B, C, Pが1つの平面に含まれるようなtの値を求めなさい.
(2014年度慶應義塾大 看護医療学部)
[解説を読む]
【問題16】★参☆
 座標空間において,3点A(1, 0, 0), B(0, 4, 0), C(0, 0, −2)を含む平面をαとする.点P(−1, −1, −1)から平面αに下ろした垂線と平面αとの交点Hの座標はである.また,点Pの平面αに関して対称な点Qの座標はである.
(2016年度茨城大 工学部)
[解説を読む]

【問題17】★参☆
 空間内に4点A(1, 0, 0), B(0, −1, 0), C(0, 0, −1),
D(1, 1, 1)
がある.
(1) 3点A, B, Cを通る平面をαとする.点P(x, y, z)α上にあるとき,x, y, zの間に成り立つ関係式を求めよ.
(2) 点Dから平面αに下ろした垂線の足をHとする.点Hの座標を求めよ.
(2005年度兵庫県立大 理学部)
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【問題18】★★受
 座標空間内に3点A(1, 1, 2), B(3, 5, 7), C(4, 4, 5)がある.また,s, tは実数であるとして,点P(s, t, 4)を考える.
(1) 点Pが3点A, B, Cを通る平面上にあるためのs, tの関係式を求めよ.
(2) 点Pが直線AB上にあるときのs, tの値を求めよ.
(3) 点Pが3点A, B, Cを通る平面上を動くとき,その軌跡により三角形ABCは二つの部分に分けられる.この二つの部分の面積の比の値rを求めよ.ただし,r≧1とする.
(2014年度大阪府立大 工学部)
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