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■カイ2乗検定 ポアソン分布との適合性

※以下の各問題において,画面上で表の上をドラッグ・コピーし,Excelに貼り付けると,データを取り込むことができます.

(1) [カイ2乗検定の復習]

 1997年から2006年までの年ごとの台風発生回数は,次の表の通りであった.  
データの出所:気象庁>気象統計情報 http://www.data.jma.go.jp ]

 
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
発生数 28 16 22 23 26 26 21 29 23

 年ごとの台風の発生回数について,有意差の有無を判断せよ.(特に断らなければ有意水準5%で考えるものとする.)

■ ポアソン分布

 ランダムに発生する現象が一定時間内(一定場所内)に起こる回数の確率分布は,ポアソン分布と呼ばれる.
(一定場所に1時間に到来する宇宙線の個数,一定時間内にある地点を通過する自動車の台数,一定時間内に小売店に来る客の人数 の確率などがポアソン分布に従う.)

 単位時間当り平均 λ 回発生する事象が,ある試行の結果ちょうど k 回発生する確率 P(k)  (k = 0 , 1 , 2 , 3 , ...) は,

P(k)=
で表わされ,これを母数λ のポアソン分布という.(右のグラフ参照)

○ Excelでは
=POISSON(イベント数,平均,0)
で簡単に求められる.ここで,「イベント」は回数k ,「平均」は母数λ,第3引数は,累積確率を求めるときTRUE(=1),その回数の確率を求めるときはFALSE(=0)とする.
(nが十分大きく(n≧50),npが十分小さいとき(np≦5),二項分布B(n , p)はポアソン分布で近似できるが,このページでは扱っていない.)
(2) [ポアソン分布の確率]

 1分間当り平均5台の自動車が通る道路において,自動車の通過台数がポアソン分布に従うとき,1分間に10台以上の自動車が通る確率を求めよ.
(3) カイ2乗検定[ポアソン分布との適合性]
 次の表Aは,1997年から2006年までの120か月間に発生した台風237個(平均1.975回/月)について,各月の発生回数と月数を表にしたものである.
データの出所:気象庁>気象統計情報 http://www.data.jma.go.jp]

 平均1.975回のポアソン分布と見なした場合の発生回数は,表Bのようになる.
 このとき,月ごとの台風の発生回数はポアソン分布に従うと見なしてよいかどうか検定せよ.(なお,ポアソン分布曲線は無限に長い尾になっており,10回以上の理論月数もあり得るため,9回までの合計は120ちょうどにはならない.)

表A
回数 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
観測月数 38 20 23 15 5 11 6 1 1 0 120
表B
回数 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
理論月数 16.65 32.88 32.47 21.37 10.55 4.16 1.37 0.38 0.09 0.02
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(4) カイ2乗検定[ポアソン分布との適合性]

 あるコンビニでは,午前9時〜午後7時までの10時間に10分間当り平均2人の来客があり,各10分ごとの実際の来客数を調査したとき次の表のようになった.(架空データ)

 この人数と回数の対応はポアソン分布に従うと見なしてよいか.
人数 0 1 2 3 4 5 6 7 8
回数 5 12 18 8 11 4 1 1 0 60
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