== 文字式の表し方.入試問題 ==

〇中学校1年生の数学の教科書の初めの方に「文字と式」という単元があって,文字を使った式の表し方を習います.
 いくつかの教科書で確かめたところ,必ずしも次のように明確には述べられていないことですが,このページでは次のように用語の使い方を決めます.
演算結果
足し算(加法)
a+b

a+b
引き算(減法)
a−b

a−b
掛け算(乗法)
a×b

ab
割り算(除法)
a÷b

【要点】
(1) 積や商「割り算の後にあるとき」に,元の掛け算や割り算に戻してはいけない.
【例1】
であるが
…(1.1)
…(1.2)
このように(1.1)と(1.2)は違う.
(1.1)のように書くと,初めにを行い,その結果にを掛けるという意味になります.(*)
つまり,よりも先にとの間で演算を行います.
次のようにかっこで囲むと,(1.1)の結果は(1.2)の結果と等しくなります.
…(1.1')
つまり,としてに逃げられないようにするには(人間関係を連想しそうな,何と通俗的な表現!),かっこで囲んでおけばよい.(**)
【例2】
であるが
…(2.1)
…(2.2)
このように(2.1)と(2.2)は違う.
(2.1)のように書くと,初めにを行い,その結果にを掛けるという意味になります.
つまり,よりも先にとの間で演算を行います.
次のようにかっこで囲むと,(2.1)の結果は(2.2)の結果と等しくなります.
…(2.1')
つまり,としてに逃げられないようにするには,かっこで囲んでおけばよい.
【例3】
のとき
にはならない…(3.1)
になる…(3.2)
このように(3.1)と(3.2)は違う.
次のようにかっこで囲むと,(3.1)の結果は(3.2)の結果と等しくなる
…(3.1')
(*)(**)は同様
右上に続く↑
【例4】
であるが
…(4.1)
…(4.2)
このように(4.1)と(4.2)は違う.
次のようにかっこで囲むと,(4.1)の結果は(4.2)の結果と等しくなる
…(4.1')
(*)(**)は同様
【例5】
であるが
…(5.1)
…(4.2)
このように(5.1)と(5.2)は違う.
次のようにかっこで囲むと,(5.1)の結果は(5.2)の結果と等しくなる
…(5.1')
(*)(**)は同様
【例6】
のとき
にはならない…(6.1)
になる…(6.2)
このように(6.1)と(6.2)は違う.
次のようにかっこで囲むと,(6.1)の結果は(6.2)の結果と等しくなる
…(6.1')
(*)(**)は同様
(2) 和や差は,割り算だけでなく,掛け算,引き算の後にあるときでも,かっこを付けない限り意味が変わる.
【例7】

かっこ無しかっこ有り
2+3+4=92+(3+4)=9
2−3+4=32−(3+4)=−5
2×3+4=102×(3+4)=24
【例8】

かっこ無しかっこ有り
2+3−4=12+(3−4)=1
2−3−4=−52−(3−4)=3
2×3−4=22×(3−4)=−2

※以下に引用する高校入試問題で,元の問題は記述式の問題ですが,web画面上で入力問題にすると操作性が悪いので,選択問題に書き換えています.
【問題1】 次の計算をしなさい.(画面上で解答するには,選択肢の中から正しいものを1つクリック)
(1)

(岡山県2015年入試問題)
(2)
(岐阜県2015年入試問題)

(3)

(石川県2015年入試問題)
(4)
を計算しなさい。
(新潟県2017年入試問題)

※元の問題は記述式の問題ですが,web画面上で入力問題にすると操作性が悪いので,選択問題に書き換えています.
【問題2】
(1)
を計算しなさい。
(富山県2017年入試問題)
(2)
を計算しなさい。
(大阪府B 2017年入試問題)

(3)
(青森県2017年入試問題)
(4)
を計算をしなさい。
(大阪府C 2017年入試問題)

【問題3】
(1)
を計算しなさい。
(山形県2017年入試問題)
(2)
を計算しなさい。
(埼玉県2017年入試問題)

(3)
(奈良県2017年入試問題)
(4)
(福井県2017年入試問題)
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