== 変化の割合 ==
《解説》
■ 次の関数y=2x−1(図1)においては,x1から3まで変化するとき(x2増加),y1から5まで変化します(y4増加). 
--図1--

xの増加量
=(xの最後の値)−(xの最初の値)
3−1=2です.


yの増加量
=(yの最後の値)−(yの最初の値)
5−1=4です.


x1から3まで変化するとき,関数y=2x−1
変化の割合」は
で定義されており,
変化の割合」は
になります.

■ 他の例として,次の関数y=−x+3(図2)においては,x0から3まで変化するとき(x3増加),y3から0まで変化します(y3減少)

--図2--

xの増加量
=(xの最後の値)−(xの最初の値)
3−0=3です.


yの増加量
=(yの最後の値)−(yの最初の値)
0−3=−3です.


xが0から3まで変化するとき,関数y=−x+3
変化の割合」は
で定義されており,
変化の割合」は
になります.
(※yが減少するときの増加量はマイナスで表わします.)

【例1】
 関数y=3x−4において,xの値が5から7まで増加するときの変化の割合を求めてください.
(解答)
関数y=3x−4において,xの値が5から7まで増加するとき,yの値は次の表のように変化する.
x57
y1117
このとき,xの増加量は7−5=2
yの増加量は17−11=6
変化の割合は
…(答)
【例2】
 関数y=−2x+1において,xの値が−2から3まで増加するときの変化の割合を求めてください.
(解答)
関数y=−2x+1において,xの値が−2から3まで増加するとき,yの値は次の表のように変化する.
x−23
y5−5
このとき,xの増加量は3−(−2)=5
yの増加量は−5−5=−10
変化の割合は
…(答)
■ このように,
変化の割合」は,
で求めます.

 xの値でなくxの増加量yの値でなくyの増加量で計算することになっています.

≪注意≫
 上の図2のように,yが減るときでも「yの増加量」といい言葉を使い「減る」ことはyの増加量をマイナスにすることによって表します.
≪よくある間違い≫
 「xの増加量」「yの増加量」を求めるとき,
各々(最後の値)から(最初の値)を引きます.
これを逆に覚えると間違います.

x03
y30
上の図2の例では
xの最初の値は0,最後の値は3だから
▼間違い→xの増加量:03=−3
◎正しい→xの増加量:30=3
yの最初の値は3,最後の値は0だから
▼間違い→yの増加量:30=3
◎正しい→yの増加量:03=−3

【問題】
 それぞれ正しいものを下の選択肢から選んでください.(正しいものをクリック)
(1)関数y=2x+1x0から3まで増加するときyの増加量を求めてください.
1 2 3 4 5 6
(2)関数y=−3x+5x1から3まで増加するときyの増加量を求めてください.

(3)関数y=3x−4x2から5まで増加するときの変化の割合を求めてください.
(4)関数y=2x+1x−1から3まで増加するときの変化の割合を求めてください.

【変化の割合を求めるための裏技】
♪〜ただし,覚えたら一時的には楽したと思うかもしれないが,
長い目で見ると毒になるかもしれない〜♪
y=ax+bのとき,変化の割合を尋ねられたら,xの係数aを答えたらよい.
xが「どんな値から」「どんな値まで」変化しても「変化の割合」はいつも同じ
▼定数項bの値は「変化の割合」に関係ない
【例】

相似図形になるから,
縦÷横の比
はどこで測っても同じになる
(1)関数y=2x+1で,x0から1まで増加するとき
→ 変化の割合は2
(2)関数y=2x+1で,x0から3まで増加するとき
→ 変化の割合は2
(3)関数y=2x+1で,x−1から4まで増加するとき
→ 変化の割合は2
≪式を使った解説≫
y=2x+1においてxcからdまで増加するとき
→ 変化の割合は

となるから,cにもdにも影響されない.
さらに,定数項+1にも影響されない.

相似図形になるから,
縦÷横の比
はどこで測っても同じになる
(4)関数y=3x−4で,x0から5まで増加するとき
→ 変化の割合は3
(5)関数y=3x−4で,x−2から1まで増加するとき
→ 変化の割合は3

≪式を使った解説≫
y=3x−4においてxcからdまで増加するとき
→ 変化の割合は

となるから,cにもdにも影響されない.
さらに,定数項−4にも影響されない.

※以上のような訳で,1次関数(直線)の変化の割合は,xの係数を見たら即答え ですが,この裏技は直線の場合しか使えないので,反比例のグラフや3年生で習う2次関数のグラフでも真似してしまうと間違います.
だから,どんな問題でも対応できるようにするには,地道に
変化の割合」は
と言えるようにした方がよい.

(5)関数y=−x+3x−2から1まで増加するときの変化の割合を求めてください.
(6)関数y=−3x+2x−4から−1まで増加するときの変化の割合を求めてください.

(7)関数y=0.2x+1.3x0.3から0.7まで増加するときの変化の割合を求めてください.
(8)関数y=−0.3x+0.4x−0.2から0.5まで増加するときの変化の割合を求めてください.

(9)関数xからまで増加するときの変化の割合を求めてください.
(10)関数x−4から−1まで増加するときの変化の割合を求めてください.
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■[個別の頁からの質問に対する回答][変化の割合について/17.4.6]
分からない
=>[作者]:連絡ありがとう.小学校で割合や分数が弱いと言われたことがありませんか?