【魚の数を数えるには】
 一定の範囲(湖,丹後近海など)にいる,ある種類の魚(マダイ,ヒラメなど)の数を調べるにはどうすればよいでしょうか.湖に飛来する野鳥のように目で数えられる(双眼鏡とカウンターで数える)ものと異なり,深海にいる魚類は直接数えることはできません.このような場合に,そこにいる魚の数を数える方法の一つとして「標識放流」とい う方法があります.
 右下の図のように,魚の生活に支障の少ない箇所に標識を付けたものを放します(例:胸ビレの一部に切れ込みを入れたもの).この標識を付けても,自然状態にある魚と混ざって普通に生活できることが重要です.また
,この魚はマグロやハマチのように移動性の強いものでなく,マダイやヒラメのように定着性のあるものでなければなりません.
 図1のように,もとの集団(ここでは胸ビレを黄色で表示しています)のいる所に標識を付けた集団(胸ビレを赤色で表示しています)を放流します.数か月経つと図2のように混ざり合って生活します.そこで,一定数回収します(図3).
このとき,標識を付けた魚が自然状態の魚とうまく混ざり合っていれば
となります.
 例 標識を付けた魚を100匹放流し(a=100),数か月後に魚を100匹回収した(B=100)とき,その内10匹に標識が付いていた(b=10)とすれば,
100
10
100
より,魚の総数はA=1000となります.
図1
図2
図3
 
【問題】 
 上のような方法で標識を付けた魚を1000匹放流し,数か月後1000匹回収したところ,標識の付いた魚が10匹含まれていたとすれば,この場所にこの魚は全部で何匹いると推定できますか.(回収した魚も含めて数えるものとします.) 
 
匹  
 

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