== maximaの初歩的な操作14 ==
・・・三角関数の積分(2)・・・

○Xmaxima,wxMaxima のインストール方法,基本操作については[この頁]参照
○Xmaximaでは,数式がアスキーアート風に出力されることが多い.wxMaximaでは数学で通常用いる記号に近い形で結果が示される.以下ではwxMaiximaを用いた場合の例と答を示す.

○wxMaximaでの入力
メニューから[微積分]→[積分]を選ぶと,対話型記入欄になるので
関数,変数を入力し,定積分にチェックを付ける.積分区間の下端,上端にπや∞などの記号定数を使うときは選択肢から選ぶこともできる.

○入力に当たっては,2xなどの書き慣れた記号を2*xと書かなければならないことに注意しましょう.べき乗(指数)を2^nなどと書くのは,TeXの書き方とほぼ同じ

【wxMaximaで定積分】

求めたい定積分 maximaでの入力 結果
m, nを整数とするとき



declare(m, integer),
declare(n,integer);

→ done
ここまでの入力でm, nに何らかの仮定が入っていないかどうかを確かめると
compare(m,n); → unknown
is(m=n);false
integrate(sin(m*x)*sin(n*x), x, -%pi, %pi);

integrate(cos(m*x)*cos(n*x), x, -%pi, %pi);

integrate(sin(m*x)*cos(n*x), x, -%pi, %pi);





数学の公式としては,
(1) m≠nのとき
(2) m=n(≠0)のとき
左のis(m=n);falseから分かるように,この入力ではm≠nの場合の結果が示されている


最後の式はm≠nm=nのいずれの場合でも0になる.

○maximaに少し複雑な定積分を解いてもらうには
(求めたい定積分)
(wxMaximaの入力)
integrate(1/(sin(x)+cos(x)), x, 0, %pi/2);
(結果)
▼この入力では結果が得られない

○三角関数の合成により分母を

に変形してから
integrate(1/sqrt(2)*1/sin(x+%pi/4), x, 0, %pi/2);
とすると

まで得られる.

◎数学の答案としては
(分子)=

だから

がよい.
(求めたい定積分)
(wxMaximaの入力)
integrate(sin(x)/(3*sin(x)+4*cos(x)), x, 0, %pi/2);
(結果)
▼この入力では結果が得られない

○三角関数の合成により分母を

に変形してから
すなわち,

ここに,となる角
すなわち,
したがって,分母を
にして
Maximaでの入力を
integrate(sin(x)/(5*sin(x+asin(4/5))), x, 0, %pi/2);
とすると

まで得られる.

◎数学の答案としては,この式を変形して

とするのがよい.

※筆算による吟味
…(1)
…(2)
とおくと
…(3)



…(4)
(3)×3-(4)×4


⇒ 上記2つの例から
分母が三角関数の和差になっているときは,分母を合成してからmaximaにかけるとよい


○次のような定積分は高校数学でできる



○次のような定積分は高校数学では難しいのでMaximaで確かめるとよい




※次の積分は,フレネル積分と呼ばれ幾何光学の回折現象に関係している.



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