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== 集合の要素の個数 ==

■■このページ内の目次■■
・・・(クリックすれば,その項目へジャンプできます)
(1) 集合Aの要素の個数を表す記号n(A)
(2) 集合の要素の個数に関する定理
n(AB)=n(A)+n(B)−n(AB)
(公式) 補集合の要素の個数
n(A)=n(U)−n(A)
  ド・モルガンの法則で変形できるもの
n(AB)=n(AB)
n(AB)=n(AB)
(公式) 3個の集合の要素の個数
n(ABC)=n(A)+n(B)+n(C)
−n(AB)−n(BC)−n(CA)
+n(ABC)
◎文字式の展開・整理による解き方
(公式) 4個の集合の要素の個数
n(ABCD)
=n(A)+n(B)+n(C)+n(D)
−n(AB)−n(AC) … −n(CD)
+n(ABC)+n(ABD) … +n(BCD)
−n(ABCD)
(3) べき集合(部分集合の総数)
(補足説明) 空集合とA自身をAの部分集合とする理由
(補足説明) 有限集合と無限集合の違い
(1) 集合Aの要素の個数を表す記号n(A)
 集合Aの要素の個数を,記号n(A)で表します.
【例】
 10以下の正の整数全体の集合をU,そのうちで5以下の整数の集合をA,偶数の集合をBで表すとき
A={1, 2, 3, 4, 5}だからn(A)=5
B={2, 4, 6, 8, 10}だからn(B)=5
ABの共通部分は,AB={2, 4}だからn(AB)=2
ABの和集合は,AB={1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 10}だからn(AB)=8
(2) 集合の要素の個数に関する定理
【公式】
 有限集合A, Bの要素の個数について
(2.1) 一般に次の関係が成り立つ.
n(AB)=n(A)+n(B)−n(AB)
(2.2) 特に,AB=∅(空集合)のとき
n(AB)=n(A)+n(B)
(解説)
(2.1)←
ABの要素の個数を数えるときに,Aの個数とBの個数を足すと,ABの個数を2重に数えてしまうことになるから,ABの個数を1回分引かなければならない.
(2.2)←
AB=∅すなわちn(AB)=0のときは,Aの個数とBの個数を単純に足せばよい.

【例題1】
1から100までの整数のなかで,2または3で割り切れる整数は何個ありますか.
(解説)
2で割り切れる数をM=2mとおくと
1≦M=2m≦100
1≦m≦50
だから,2で割り切れる整数は50個(⇒n(A)とおく)
3で割り切れる数をN=3nとおくと
1≦N=3n≦100
1≦n≦33
だから,3で割り切れる整数は33個(⇒n(B)とおく)
2でも3でも割り切れる数,すなわち6で割り切れる数をP=6pとおくと
1≦P=6p≦100
1≦p≦16
だから,6で割り切れる整数は16個(⇒n(AB)とおく)
2または3で割り切れる数は
n(AB)=n(A)+n(B)−n(AB)
=50+33−16=67(個)・・・(答)
【例題2】
3桁の正の整数のなかで,3または5で割り切れる整数は何個ありますか.
(解説)
3で割り切れる数をM=3mとおくと
100≦M=3m≦999
34≦m≦333
だから,3で割り切れる整数は300個(⇒n(A)とおく)
5で割り切れる数をN=5nとおくと
100≦N=5n≦999
20≦n≦199
だから,5で割り切れる整数は180個(⇒n(B)とおく)
3でも5でも割り切れる数,すなわち15で割り切れる数をP=15pとおくと
100≦P=15p≦999
7≦p≦66
だから,15で割り切れる整数は60個(⇒n(AB)とおく)
3または5で割り切れる数は
n(AB)=n(A)+n(B)−n(AB)
=300+180−60=420(個)・・・(答)

【公式】
 有限集合A, Bの要素の個数について,次の関係が成り立つ.
(2.3) 補集合の要素の個数について
n(A)=n(U)−n(A)
(2.4) ド・モルガンの法則で変形できるもの
n(AB)=n(AB)
n(AB)=n(AB)
(解説)
-図1--図2-
(2.3)←
 図1を見ると分かるように,集合Aの補集合Aの要素の個数は
n(A)=n(U)−n(A)
で求められる.
(2.4)←
ド・モルガンの法則を使えば,次の変形ができる
AB=AB
AB=AB
各々を個数に直せば,(2.4)の関係式が得られる.
n(AB)=n(AB)
n(AB)=n(AB)
このうち,2つの目の式が水色で示した図2に対応している.
【例題3】
2桁の正の整数のなかで,3でも5でも割り切れない整数は何個ありますか.
(解説)
3で割り切れる数をM=3mとおくと
10≦M=3m≦99
4≦m≦33
だから,3で割り切れる整数は30個(⇒n(A)とおく)
5で割り切れる数をN=5nとおくと
10≦N=5n≦99
2≦n≦19
だから,5で割り切れる整数は18個(⇒n(B)とおく)
3でも5でも割り切れる数,すなわち15で割り切れる数をP=15pとおくと
10≦P=15p≦99
1≦p≦6
だから,15で割り切れる整数は6個(⇒n(AB)とおく)
3または5で割り切れる数は
n(AB)=n(A)+n(B)−n(AB)
=30+18−6=42(個)
3でも5でも割り切れない整数は
n(AB)=n(U)−n(AB)
=90−42=48(個)・・・(答)

【例題4】
 Uを全体集合とし,A, Bはその部分集合とする.
n(U)=100, n(A)=35, n(AB)=66のとき,n(A), n(AB)を求めてください.
(解説)
 数式変形だけで押していくのは難しいので,オイラー図(ベン図)で考えるとよい
 なお,問題の解答が求まる場合でも,集合の個数が確定しない場合がある.(未知数が4個で,方程式が3個だから)
n(U)=100だから
x+y+z+w=100・・・@
n(A)=35だから
x+y=35・・・A
n(AB)=66だから
x+y+w=66・・・B
@Bから
z=34・・・C
ABから
w=31・・・C
n(A)=z+w=65・・・(答)
n(AB)=z=34・・・(答)
【例題5】・・・やや難しい
 Uを全体集合とし,A, Bはその部分集合とする.
n(U)=100, n(AB)=23, n(AB)=74のとき, n(AB), n(AB)を求めてください.
(解説)
n(U)=100だから
x+y+z+w=100・・・@
n(AB)=23だから
y=23・・・A
n(AB)=74だから
x+y+z=74・・・B
@Bから
w=26・・・C
n(AB)=w=26・・・(答)
n(AB)=100−y=77・・・(答)
【例題6】・・・やや難しい
 Uを全体集合とし,A, Bはその部分集合とする.
 n(U)=100, n(AB)=73, n(AB)=62のとき,n(AB), n(AB)を求めてください.また,n(AB)のとり得る値の範囲を求めてください.
(解説)
n(U)=100だから
x+y+z+w=100・・・@
n(AB)=73だから
x+y+w=73・・・A
n(AB)=62だから
y+z+w=62・・・B
@Aから
z=27・・・C
@Bから
x=38・・・C
n(AB)=x=38・・・(答)
n(AB)=z=27・・・(答)
y+w=35だから
0≦n(AB)=y≦35・・・(答)

【公式】
 有限集合A, B, Cの要素の個数について,次の関係が成り立つ.
n(ABC)=n(A)+n(B)+n(C)
−n(AB)−n(BC)−n(CA)
+n(ABC)
(解説)
 右図において,a, b, c, ..., g, hは重複なしに数えたその個所の要素の個数とする.例えば,n(A)=a+d+g+fである.
 最終的に求める要素数は,(a+b+c)+((d+e+f))+(((g)))である.
 最終的に求める要素数は,(a+b+c)+((d+e+f))+(((g)))である.
n(A)+n(B)+n(C)
=(a+d+g+f)+(d+g+b+e)+(g+e+c+f)
=(a+b+c)+((2d+2e+2f))+(((3g)))
−n(AB)−n(BC)−n(CA)
=−((d+g))−((e+g))−((f+g))
これらを加えると,三重となっている箇所n(ABC)=(((g)))は「剥がし過ぎ」で一度も数えられていないことになるから,もう一度足し直す
n(A)+n(B)+n(C)
−n(AB)−n(BC)−n(CA)
+n(ABC)
=(a+b+c)+((d+e+f))+(((g)))
■証明終わり■

【例題7】
 1以上100以下の正の整数のうちで,2または3または5で割り切れる数は合計何個ありますか.
(解説)
2で割り切れる数を2aとおくと
1≦2a≦100
1≦a≦50
だから,2で割り切れる整数は50個(⇒n(A)とおく)
3で割り切れる数を3bとおくと
1≦3b≦100
1≦b≦33
だから,3で割り切れる整数は33個(⇒n(B)とおく)
5で割り切れる数を5cとおくと
1≦5c≦100
1≦c≦20
だから,5で割り切れる整数は20個(⇒n(C)とおく)
2かつ3で割り切れる数(6で割り切れる数)を6dとおくと
1≦6d≦100
1≦d≦16
だから,6で割り切れる整数は16個(⇒n(AB)とおく)
3かつ5で割り切れる数(15で割り切れる数)を15eとおくと
1≦15e≦100
1≦e≦6
だから,15で割り切れる整数は6個(⇒n(BC)とおく)
右上に続く→
2かつ5で割り切れる数(10で割り切れる数)を10fとおくと
1≦10f≦100
1≦f≦10
だから,10で割り切れる整数は10個(⇒n(CA)とおく)
2かつ3かつ5で割り切れる数(30で割り切れる数)を30gとおくと
1≦30g≦100
1≦g≦3
だから,30で割り切れる整数は3個(⇒n(ABC)とおく)
求める個数は
n(ABC)=n(A)+n(B)+n(C)
−n(AB)−n(BC)−n(CA)
+n(ABC) =50+33+20−16−6−10+3=74
【例題8】
 Uを全体集合とし,A, B, Cはその部分集合とする.
n(U)=100, n(A)=48, n(B)=52, n(C)=58, n(ABC)=91, n(ABC)=14のとき,n(ABC), n(ABC)を求めてください.
(解説)
ド・モルガンの法則により
ABC=ABC
n(ABC)=n(ABC)
=n(U)−(ABC) =100−91=9・・・(答)
ド・モルガンの法則により
ABC=ABC
n(ABC)=n(ABC)
=n(U)−(ABC)
=100−14=86・・・(答)

【集合の要素の個数】(まとめ)
 集合の要素の個数に関して,高校数学の教科書,参考書などで必ず登場するのは,次の(1)(2)(3)である.
n(A)=n(U)−n(A)・・・(1)
n(AB)=n(A)+n(B)−n(AB)・・・(2)
n(ABC)=n(A)+n(B)+n(C)
−n(AB)−n(BC)−n(CA)
+n(ABC)・・・(3)
 大学数学では,ブール代数や論理回路に関連して,論理式を簡単にする計算法則があるが,ここでは高校数学で扱える範囲で考えてみる.・・・なお,教科書や参考書に「公式」としては示されていないものばかりであるが,ベン図(オイラー図)により内容の確認はできる.
 集合U, A, B, C, AB, ... , ABCの要素の個数が与えられているとき,それらの補集合A, B, Cを含む集合の要素の個数を求める.
※俗世間の話でたとえれば,表メニュー(A, B, C)の値段が書いてあるときに,その値段から,裏メニュー(A, B, C)の値段を考えるような話
(1)から右図1のように
n(B)=n(U)−n(B)
Aとの共通部分を考えると,図2
n(AB)=n(AU)−n(AB)
n(AB)=n(A)−n(AB)・・・(4)
Aとの共通部分を考えるには,各集合にAを付ければよいことが分かる)
BAとの和集合を考えると,図3
n(AB)=n(U)−n(B)
+n(AB)・・・(5)
BAとの和部分を考えるには,ABを付け足せばよいことが分かる)
(2)を使って(5)を示す[別の証明]
n(AB)=n(A)+n(B)−n(AB)
(1)(4)を用いて第2項,第3項を書き換えると
n(AB)=n(A)+n(U)−n(B)
−{n(A)−n(AB)}
=n(U)−n(B)+n(AB)
ド・モルガンの法則により,AB=AB
が成り立つから,さらに(1)を使うと
n(AB)=n(AB)=n(U)−n(AB)
ゆえに
n(AB)=n(U)−n(AB)・・・(6)
ド・モルガンの法則により,AB=ABが成り立つ,さらに(2)を使うと
n(AB)=n(AB)=n(U)−n(AB)
=n(U)−{n(A)+n(B)−n(AB)}・・・(7)

【問題8.1】
 Uを全体集合とし,A, Bはその部分集合とする.
 n(U)=56, n(A)=28, n(B)=30n(AB)=13のとき,n(AB), n(AB)を求めてください.
解答を見る
【問題8.2】
 Uを全体集合とし,A, Bはその部分集合とする.
 n(U)=z, n(A)=a, n(B)=b, n(AB)=pのとき,n(AB), n(AB)を求めてください.
解答を見る
(5)により
n(AB)=n(U)−n(B)
+n(AB)AABを,BCを代入すると
n((AB)C)=n(U)−n(C)+n(ABC)・・・(9)
右図を見れば分かるように
n((AB)C)
=n(ABC)−n(C)
になるから,(3)より
n((AB)C)−n(C)
=n((ABC)−n(C)
=n(A)+n(B)
−n(AB)−n(BC)−n(CA)+n(ABC)
・・・(10)
(別の証明)
(4)により
n((A B)C)=n(A B)n((A B) C)
ここで,(2)により
n(A B)=n(A)+n(B)−n(A B)
分配法則により
n((A B) C)=n((A C)(B C))
さらに(2)により
n((A C)(B C))
=n(A C)+n(B C)−n(A B C)
以上をまとめると
n((A B)C)
=n(A)+ n(B)−n(A B)−n(A C)−n(B C)
+ n(A B C)


(文字式の展開・整理による解き方)
 ここまでの計算を見てみると,集合やその要素の個数を表す記号の変形はかなり大変な作業で,根気のいる・骨の折れる作業になります.
 この変形作業を,文字式の展開・整理という単なる計算問題に置き換えることができないかと考える.
 以下に紹介する方法は,誰でも思いつくはずのものですが,確認できる書籍がないので,そのつもりで見てください.ただし,個別の結論が正しいことについては,@「集合計算としての裏付け」,A「オイラー図による目で見た検証」を付けているので間違いはないはずです.
 他の参考書やWeb記事などのどこにも出ていませんので,入学試験などのシビアな場面での記述式答案に以下の書き方をそのまま書くのは避けてください.自分用の下書きに使ったり,選択問題・穴埋め問題などの答えを見つけるのには使えます.
 教科書で通常用いられている記号n(A)をそのまま使ってもよいが,( )を多用すると見た目も煩わしくなり,思考が止まり易くなります.ここでは,記号を1文字に置き換える工夫を紹介してみます.ただし,結果が出てから正式答案に戻すときは,n(A)などに戻します.
[#1] 集合Aの要素の個数をaで表す.
n(A)=a
 同様にして,集合Bの要素の個数をbで,全体集合Uの要素の個数はuで表す.
[#2] 補集合Aの要素の個数は,u−aになる.
n(A)=u−a
[#3] 共通部分ABの要素の個数を,何らかの記号を作って表す.例えば,a∘b
 a×b, abなども考えられますが,他で使っていない記号がよく,ここではa∘bとしました.(新しい記号を作って定義する)
 変形として最終的に個数に戻すとき,この記号があればABなどに戻します.
u∘a=a(←UA=Aだから)
a∘a=a(←AA=Aだから)
[#4] [#3]により,和集合の要素の個数は,次のようになります.
n(AB)=a+b−a∘b
[#5] なお,次の分配法則が成り立ちます.
(a+b)∘c=a∘c+b∘c
※ここでは,英小文字で計算するようにしています.英大文字で行うと大学で習うブール代数の演算と紛らわしくなるのを避けるためです.すなわち,ブール代数では,集合AB, ABに対応する真偽値の計算をA•B, A+Bで表すので,演算+の意味がこのページでの意味と異なります.

■上記の例(5)を文字式の変形で行うと
n(AB)
=a+(u−b)−a∘(u−b)
=a+u−b−a∘u+a∘b
←[#3]によりa∘u=a
=a+u−b−a+a∘b
=u−b+a∘b
元の集合記号に戻すと
=n(U)−n(B)+n(A B)
■上記の例(6)を文字式の変形で行うと
n(AB)
=(u−a)+(u−b)−(u−a)∘(u−b)
=u−a+u−b−u∘u+u∘b+a∘u−a∘b
←[#3]によりu∘u=u, u∘b=b, a∘u=a
=u−a+u−b−u+b+a−a∘b
=u−a∘b
元の集合記号に戻すと
=n(U)−n(AB)
■上記の例(7)を文字式の変形で行うと
n(AB)
=(u−a)∘(u−b)
=u∘u−u∘b−a∘u+a∘b
←[#3]によりu∘u=u, u∘b=b, a∘u=a
=u−b−a+a∘b
元の集合記号に戻すと
=n(U)−n(A)−n(B)+n(AB)
【問題8.3】
 上記の例(8)を文字式の変形で示してください
n((AB)C)=n(AB)−n(ABC)
解答を見る
【問題8.4】
 上記の例(9)を文字式の変形で示してください
n((AB)C)=n(U)−n(C)+n(ABC)
解答を見る

【問題8.5】
 上記の例(10)を文字式の変形で示してください
n((AB)C)=n(A)+n(B)
−n(AB)−n(BC)−n(CA)+n(ABC)
解答を見る
【問題8.6】
Uを全体集合とし,A, B, Cはその部分集合とする.
n(U)=100, n(A)=44, n(B)=44, n(C)=47, n(AB)=19, n(AC)=21, n(BC)=20, n(ABC)=9のとき, n(A(BC))を求めてください.
解答を見る

【問題8.7】
Uを全体集合とし,A, B, Cはその部分集合とする.
n(U)=100, n(A)=44, n(B)=44, n(C)=47, n(AB)=19, n(AC)=21, n(BC)=20, n(ABC)=9のとき, n(A(BC))を求めてください.
解答を見る
【問題8.8】
Uを全体集合とし,A, B, Cはその部分集合とする.
n(U)=100, n(A)=44, n(B)=44, n(C)=47, n(AB)=19, n(AC)=21, n(BC)=20, n(ABC)=9のとき, n((AB)C)を求めてください.
解答を見る

 高校数学では,集合を次のような図で表す.
 この図は,通常,オイラー図とかベン図と呼ばれる(オイラー,ベンは数学者の名前)が,ここではそれらの細かな区別には立ち入らない.
 いずれも,全体集合は長方形で表し,その部分集合を円を用いて表すことが多い.
 ただし,円を使って表す方法では,右図のような3つの集合までが限界で,4個以上の集合の関係を円で表示するのは難しい.
 筆者が,?十年前に数学教育法の単位を頂いた教授の持論では,ベン図では境界線が直線図形の場合もあるということで,その説に従って,以下においては,境界線が直線図形である場合のベン図を使うことにする.
 直線図形を使って,3つの集合は,右図の赤青黄の2×2×2=8つの領域で表示できる.4つ目の集合Dを表示するには,右図の黒点を通る線をつないで閉曲線を作ればよい.(1つの領域を別の線が横切れば,Dの性質を満たすものと満たさないものに分けられる)
 A,B,C,Dにより24=16通りの領域を分けることができるが,さらに5つ目の集合Eを表示するには,右図の黒点を通る線をつないで閉曲線を作ればよい.
 この方法により,A,B,C,D,...と必要なだけ多くの集合を図示することができる.(Eを表す閉曲線の描き方は何通りもある)
 以下,F, G, H, ...と限りなく多くの場合に分けることができる.
【公式】
 4個の有限集合A, B, C, Dの要素の個数について,次の関係が成り立つ.
n(ABCD) ←和集合の要素の個数
=n(A)+n(B)+n(C)+n(D)
←1つずつの組を全部書く
−n(AB)−n(AC)−n(AD)− ··· −n(CD)
←2つずつの組を全部書く(A)
+n(ABC)+n(ABD)+ ··· +n(BCD)
←3つずつの組を全部書く(B)
−n(ABCD)
←4つずつの組を(全部)書く(C)
《ベン図》
《論理表》〜重複度の確認
図の位置ABCD(A)
-AB〜-CD
(B)
+ABC〜+BCD
(C)
-ABCD
@+1+1+1+1-6+4-11
A+1+1+10-3+11
B+1+10+1-3+11
C+1+100-11
D+10+1+1-3+11
E+10+10-11
F+100+1-11
G+10001
H0+1+1+1-3+11
I0+1+10-11
J0+10+1-11
K0+1001
L00+1+1-11
M00+101
N000+11
O00000
 以上により,【公式】の左辺を求めると,@〜Nまでを1回ずつ数え上げて,Oを数えない計算になっていることが示される.
(※筆者は,数学を「無駄なく正確に学ぶ」よりは,「楽しく」「やさしく」「図や例を豊富に使って」学ぶ方がモチベーションが維持できるように思うので,図解を多様していますが,論理的な証明を希望される方は,次の欄を見てください.)

【例題9】
 集合3個の場合の個数定理
n(ABC)
=n(A)+n(B)+n(C)
−n(AB)−n(BC)−n(CA)
+n(ABC)
を用いて,集合4個の場合の個数定理
n(ABCD)
=n(A)+n(B)+n(C)+n(D)
−n(AB)−n(AC)−n(AD)− ··· −n(CD)
+n(ABC)+n(ABD)+ ··· +n(BCD)
−n(ABCD)
を証明してください.
(解答)
n(AB(CD))
=n(A)+n(B)+n(CD)
−n(AB)−n(B(CD))n((CD)A)
ここで
n(CD)=n(C)+n(D)−n(CD)
分配法則を用いる
n(B(CD))=n((BC)(BD))
=n(BC)+n(BD)−n(BCD)
n((CD)A)=n(CA)(DA)

=n(CA)+n(DA)−n(CDA)
n(AB(CD))=n((ABC)(ABD))
=n(ABC)+n(ABD)−n(ABCD)
 以上を使って式を整理すると
n(ABCD)
=n(A)+n(B)+n(C)+n(D)−n(CD)
−n(AB)−{n(BC)+n(BD)−n(BCD)}
−{n(CA)+n(DA)−n(CDA)}
+n(ABC)+n(ABD)−n(ABCD)
=n(A)+n(B)+n(C)+n(D)
−n(AB)−n(BC)−n(BD)
−n(CA)−n(CD)−n(DA)
+n(ABC)+n(ABD)+n(BCD)
+n(CDA)
−n(ABCD)
■証明終わり■

【例題10】
 Uを全体集合とし,A, B, C, Dをその部分集合とする.
n(A)=48, n(B)=52, n(C)=50, n(D)=47,
n(AB)=22, n(AC)=23, n(AD)=21,
n(BC)=27, n(BD)=27, n(CD)=24,
n(ABC)=11, n(ABD)=10,
n(ACD)=10, n(BCD)=14,
n(ABCD)=5, n(U)=100

のとき,次の値を求めてください.
(1) n(AB)
(2) n(BC)
(3) n(A(BC))
(4) n(A(BC))
(5) n(ABCD)
(解説)
 このような問題をスラスラと処理できる人には感心する.筆者は,たぶん多くの読者と同様,n(AB)のように書かれた記号に目を奪われやすく,考えを決めにくい・・・見た目の世界に迷い込んでしまう.
 ベン図で確かめるのがベストだと考えられるが,以下の答案では,なるべく数式変形で解く方法を考えてみる.
(1) 右図から次の式を考える
n(AB)=n(B)−n(AB)
=52−22=30・・・(答)
文字式の展開で解くには
(u−a)∘b=u∘b−a∘b
=b−a∘b
これを元の集合記号に戻すと
=n(B)−n(AB)
=52−22=30・・・(答)
(2) 右図から次の式を考える
n(BC)=n(B)+n(BC)
n(B)=n(U)−n(B)
=100−52=48
n(BC)
=48+27=75・・・(答)
(3) 右図から次の式を考える
n(A(BC)
分配法則
=n((AB)(AC))
=n(AB)+n(AC)−n(ABC)
=22+23−11=34・・・(答)

(4) 右図から次の式を考える
A(BC)=A(ABC)
AABCには共通部分がないから
n(A(ABC))=n(A)+n(ABC)
ここで
n(ABC)=n(U)−n(ABC)
さらに
n(ABC)=n(A)+n(B)+n(C)
−n(AB)−n(BC)−n(CA)+n(ABC)
=48+52+50−22−23−27+11=89
n(ABC)=n(U)−n(ABC)
=100−89=11
ゆえに
n(A(ABC))=n(A)+n(ABC)
=48+11=59・・・(答)
(別解)
右図黄色の部分と桃色の部分に分けて求める
黄色の部分は
n(BC)=n(BC)
=n(U)−{n(B)+n(C)−n(BC)}
=100−(52+50−27)=25
桃色の部分は
n(AB)+n(AC)−n(ABC)
=22+23−11=34
黄色と桃色の合計を求めると
25+34=59・・・(答)
(5) 右図から次の式を考える
n(ABCD)
=n(ABC)
−n(ABCD)
=11−5=6・・・(答)
※この種の問題を解くときに,右図のように「重なりのない最小単位a, b, c, ..., p」の値を求めてから,必要な図形の要素数を出す方法も考えられますが,このやり方では未知数が16個の連立方程式を解くことになり,その作業の方が大変です.
 方程式のようにして一般的に解くよりは,必要な箇所だけ算数的に求めるという考え方が,急ぐときの基本です.

【追加問題10-2】(高校生には難しい!)
 Uを全体集合とし,A, B, C, Dをその部分集合とする.
n(A)=48, n(B)=52, n(C)=50, n(D)=47,
n(AB)=22, n(AC)=23, n(AD)=21,
n(BC)=27, n(BD)=27, n(CD)=24,
n(ABC)=11, n(ABD)=10,
n(ACD)=10, n(BCD)=14,
n(ABCD)=5, n(U)=100

のとき,次の値を求めてください.
(1) n((AB)(CD))
(2) n((AB)(CD))
(3) n((ABC)D)
(4) n((AB)(CD))
(1)
解答を見る
(2)
解答を見る

(3)
解答を見る
(4)
解答を見る

(3) べき集合(部分集合の総数)
【例1】
 集合A={a, b}の部分集合は
{ }, {a}, {b}, {a, b}
の合計4個ある.
 空集合(要素が1つもない集合)もしくは{ }は,どんな集合に対してもその部分集合になっているものとします.[そういう約束です]
 すなわち,どんな集合Aに対しても,つねに
∅⊂A もしくは { }⊂A
が成り立つ.
 どんな集合に対しても,その集合自身は部分集合になっているものとします.[そういう約束です]
 すなわち,どんな集合Aに対しても,つねに
A⊂A
が成り立つ.
【例2】
 集合B={1, 2, 3}の部分集合は
要素の個数が0個の集合・・・{ }(空集合は部分集合)
要素の個数が1個の集合・・・{1}, {2}, {3}
要素の個数が2個の集合・・・{1, 2}, {1, 3}, {2, 3}
要素の個数が3個の集合・・・{1, 2, 3}B自身も部分集合)
の合計8個ある.
【べき集合】
 A={a1, a2, a3, … , an}n個の要素からなる集合であるとき,Aの部分集合は全部で
2n(個)
ある.
※集合Aの部分集合全体の集合をAべき集合という.
(解説)
各々の要素a1, a2, a3, … , anが「含まれる」「含まれない」によって2通りずつ集合の要素の組み合わせができるから,n個の要素からなる場合は2n(個)の集合ができる.
■証明終わり■
(別解)
要素の個数が0個の集合は
{ }(空集合)n0=1個
要素の個数が1個の集合は
{a1}, {a2}, {a3}, … , {an}nC1=n個
要素の個数が2個の集合は
{a1, a2}, {a1, a3}, ..., {an−1, an} nC2
要素の個数がk個の集合
{a1, a2, ..., ak}, … のnCk
要素の個数がn個の集合
{a1, a2, … an}nCn=1個
 したがって,部分集合は全部で

 この和は,二項係数の性質の項目で示されるように2nに等しい.
■証明終わり■

【例題11】
  集合A={a, b, c, d, e}の部分集合は何個ありますか.
(解説)
25=32(個)・・・(答)
【例題12】
(1) 集合A={a, b, c, d, e}の部分集合のうちで,特定の要素aが含まれる集合は何個ありますか.
(2) 集合A={a, b, c, d, e}の部分集合のうちで,特定の要素bが含まれない集合は何個ありますか.
(3) 集合A={a, b, c, d, e}の部分集合のうちで,特定の要素aが含まれ,かつ,特定の要素bが含まれない集合は何個ありますか.
(解説)
(1) 特定の要素aを初めから入れておき,残りの4個の要素{b, c, d, e}を含めるかどうかで考えると
24=16(個)・・・(答)
目で確かめる
{a}, {a, b}, {a, c}, {a, d}, {a, e}, {a, b, c}, {a, b, d}, {a, b, e}, {a, c, d}, {a, c, e}, {a, d, e}, {a, b, c, d}, {a, b, c, e}, {a, b, d, e}, {a, c, d, e}, {a, b, c, d, e}の16個
(2) 特定の要素bを初めから外して,残りの4個の要素{b, c, d, e}を含めるかどうかで考えると
24=16(個)・・・(答)
目で確かめる
{a}, {a, b}, {a, c}, {a, d}, {a, e}, {a, b, c}, {a, b, d}, {a, b, e}, {a, c, d}, {a, c, e}, {a, d, e}, {a, b, c, d}, {a, b, c, e}, {a, b, d, e}, {a, c, d, e}, {a, b, c, d, e}の16個
(2) 特定の要素bを初めから外して,残りの4個の要素{b, c, d, e}を含めるかどうかで考えると
24=16(個)・・・(答)
目で確かめる
{ }, {a}, {c}, {d}, {e}, {a, c}, {a, d}, {a, e}, {c, d}, {c, e}, {d, e}, {a, c, d}, {a, c, e}, {a, c, e}, {b, d, e}, {a, c, d, e}の16個
(3) 特定の要素aを初めから入れておき,特定の要素bを初めから外して,残りの3個の要素{c, d, e}を含めるかどうかで考えると
23=8(個)・・・(答)
目で確かめる
{a}, {a, c}, {a, d}, {a, e}, {a, c, d},
{a, c, e}, {a, d, e}, {a, c, d, e}
の8個

(補足説明1)・・・任意の集合Aに対して,空集合{ }およびA自身をAの部分集合とすることについて
 [そもそもの定義]
 集合の任意の要素xについて,「x∈Aならばx∈B」が成り立つとき,ABの部分集合といい,A⊂Bで表す.
 [A⊂Aの解説]
例えば,A={a, b, c, d, e}のときで考えてみると
   「x∈Aならばx∈A
が成り立つのは明かだから,A⊂Aが成り立つ.
○数の大小を表す不等号について
a<b
abよりも小さい場合だけ成り立ち,等しい場合は含まれない
a≦b
a<bまたはa=bのいずれかが成り立てばよい
○集合の包含関係を表す記号について
@)昭和の前半ぐらいまで,日本の高校では,の記号によって,A⊂BまたはA=Bを表してきた.
 したがって,当時は,A⊂Bは,ABの真部分集合であることを表していて,不等号の大小記号と感覚的に整合的になっていた.
 しかし,昭和の後半あたりから(世界での使われ方,大学での使われ方に近づけた?),集合については,A=Bの場合も含めてA⊂Bという記号を使うようになった.
 その結果,真部分集合を表すには,のように,「等しい場合は含まない」ということを明示する必要がある.(黙って⊂を書いていると,自動的に等しい場合が含まれる)
【今日の高校数学での⊂の使われ方】
 A⊂Bは,ABの真部分集合である場合だけでなく,A=Bの場合も含めた記号になっている.
《重要》 A⊂BかつB⊂AA=B
 [空集合{ }が任意の集合Aの部分集合であることの解説]
(解説1)
 命題p ⇒ qの真偽は,次の真偽表によって定められる.(この表がp ⇒ qの真偽の定義です)
pqp ⇒ q
 そこで,「空集合{ }が任意の集合Aの部分集合である」ことを示すには,任意の要素xについて,
  「x∈{ }ならばx∈A
が成り立つことを示せばよい.
 ところで,空集合{ }にはどんな要素も属さないから,x∈{ }という仮定の部分は偽になる.だから,結論の部分x∈Aが真であっても偽であっても,表を読むとp ⇒ qは真になることが分かる.
 よって,空集合{ }が任意の集合Aの部分集合であることが示された.
■証明終わり■
(別の解説)
p ⇒ qの真偽」に慣れていない人は,次のように対偶によって証明してもよい.すなわち
  「x∈{ }ならばx∈A
の証明は,その対偶によって証明してもよい.
  「x∉Aならばx∉{ }
 ところで,空集合{ }にはどんな要素も属さないから,この命題は真である.よって,対偶により示された.

(補足説明2)・・・有限集合に限定する理由[レベル:難しい]
 一番初めに,有限集合A, Bの要素の個数について,次の関係が成り立つ.
n(AB)=n(A)+n(B)−n(AB)
のなどと「有限集合」に限定した話になっている理由
 中学・高校までは,有限の話は分かりやすく,無限の話は難しいと考えるのが普通だと思う.これに対して,定義の仕方次第では,無限の方が有限よりも簡単になる場合がある.
【真部分集合とは】
 x∈A ⇒ x∈Bとなるとき,ABの部分集合であるという.
 ABの部分集合であるときに,x∈Bであって,かつ,x∉Aとなる要素xが存在するとき,ABの真部分集合であるという.
【例】
A={1, 2, 3, 4}B={1, 2, 3, 4, 5}のとき,ABの真部分集合である.
(なぜなら,A⊂Bであって,5∈Bかつ5∉A
 一般に,有限集合Aが有限集合Bの真部分集合であれば,Bの要素であってAの要素でないものがあることになり,Bの要素の個数はAの要素の個数よりも多くなる.
【例】
 正の偶数全体の集合をE={2, 4, 6, ···}とおき,正の整数全体の集合をN={1, 2, 3, · · ·}とおくとき,ENの真部分集合である.
(なぜなら,E⊂Nであって,1, 3, 5, ···∈Bかつ1, 3, 5, ···∉A
ところが,Nの任意の要素をnとおくと,
m=2n (m∈E)
となるEの任意の要素がただ1つ定まり,
逆に,Eの任意の要素をmとおいても,

となるNの任意の要素がただ1つ定まるから,ENは1対1に対応する.
 このように,ある集合とその真部分集合との間に,1対1の対応が存在するとき,その集合は無限集合であるという.
【無限集合の定義】
「ある集合とその真部分集合とに1対1の対応を付けることができるとき,その集合は無限集合であるという.」
「無限集合でない集合を有限集合という.」
 さて,個数定理を解説するときに,初めに「有限集合」に限定した理由は次の通りです.
 例えば,(自然数の内で)2の倍数全体の集合をE={2, 4, 6, ···}で,3の倍数全体の集合をT={3, 6, 9, ···}で,6の倍数全体の集合をS={6, 12, 18, ···}とおくと,
ET=S
であるが
n(E)=∞, n(T)=∞, n(S)=∞
であるから
n(ET)=n(E)+n(T)−n(ET)
などという計算は成り立たない.そのような計算が成り立つのは,有限集合を扱っている場合に限るということです.
∞+∞=∞という変形なら大目に見られる範囲ですが,∞−∞とか∞÷∞のような計算は,どちらの無限が強いのか決まらないので,不定形と呼ばれ,このままでは結果が出ません.
(真部分集合,有限集合,無限集合の他の例)
(#1)
A={2, 3, 4, 5}, B={1, 2, 3, 4, 5}とするとき
A⊂Bかつ1∉A, 1∈B
だから,ABの真部分集合です.
 このとき,A, Bの要素の個数が異なるので,A, Bの要素を1対1に対応させることはできない.これは,A, Bが有限集合だからです.
(#2)
A={2, 3, 4, 5, , ···}, B={1, 2, 3, 4, 5, ···}とするとき
A⊂Bかつ1∉A, 1∈B
だから,ABの真部分集合です.
 このとき,任意のa∈Aに対して,b=a−1∈B
 任意のb∈Bに対して,a=b+1∈A
のように対応させると,A, Bは1対1に対応する.これは,A, Bが無限集合であることを示している.
(##)
昭和の頃.公立中学校.数学の時間
 A={x| 0<x<1}となる集合AB={x| 0<x<2}となる集合Aの関係について,「図のように点Pから線を出せば,A, Bが1対1に対応するから,A, Bの点の数は同じである」というのが中学校の数学の先生の教えであった.(の図:これは,カントールの考え方で,数学的に正しいと考えられている)
 しかし,純真素朴な村の少年(私)は,の図が頭から離れないので,先生の主張に不満であった.
 正しく理解するには,「1つでも1対1に対応させる方法があれば,同じ個数と見なす」「他に,1対1に対応しない方法が何通りあっても関係ない」という所が重要で,「すべての対応方法について,1対1になる」ことを要求しているのではなく「1対1に対応させる方法が存在する」「ある対応方法では,1対1に対応する」ときに(1つあればよいということ),2つの集合の要素数は同じであるとみなすということ.
 上記のA, Bについて,集合の要素数が等しいことを示す数学的な答案としては,次の2つよい.
 どんなa∈Aに対しても,b=2aとなるb∈Bを選ぶことができる.
 どんなb∈Bに対しても,となるa∈Aを選ぶことができる.
(他の例)
有限な実数の区間を表す集合X={x| 0<x<1}と1よりも大きい数全体の集合Y={y| y>1}の関係について
 どんなx∈Xに対しても,となるy∈Yを選ぶことができる.
 どんなy∈Yに対しても,となるx∈Xを選ぶことができるから,集合X, Yは1対1に対応し,それらの要素の個数は同じであるといえる.
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